登記ってなに?
登記には、主として不動産登記、商業登記があります。
不動産登記について
「登記」「名義人」「所有者」「権利者」って聞いたことはありますか?これらが登場するのは、不動産登記です。
日本における個人の財産のうち、もっとも高価なものとされているのが不動産です。
不動産は、土地と建物があります。
土地などは、一見すると誰のものかわからないため、「この土地は○○さんのもの」ということを、調べれば誰でもわかるようにしておく必要があります。
それが、各不動産の権利者を公示するシステム、つまり不動産の登記というシステムです。
不動産の登記は、○○さんから□□さんに権利が移転したとき、代表的なものが、売買による所有権の移転があったときに、書き換える必要があります。
書き換えないと、いつまでたっても、「この土地は私のもの」と主張することができないからです。
これでは、安心して不動産を買ったり売ったりできないですよね。 そこで登場するのが、司法書士です。
不動産の売買をご経験されたかたはご存知かと思いますが、銀行などで売買する(これを決済といいます)とき、必ずといっていいほど、その場に「先生」がいます。
単に「書類に不備がないかチェックする人」なんですけどね(笑) ただし、その責任は思った以上に重いです。
不動産の売買には、大きなお金が動くからです。 書類上の大きなミスをしたら、損害賠償責任を負う覚悟でその場に望んでます。
よって、司法書士が「GO」と言えば、銀行は、買主にお金を貸し出し、そのお金を売主に移す作業に入ります。
お金が動き出してしまったら、もはや後戻りできません。 司法書士の「GO」には、これで大丈夫だ!という確信に近い決意があるのです。
商業登記について
「法人」という言葉を聞いたことがありますか?
おおざっぱに言うと、これは「法律上、人として人格を認めたもの」をいいます。 なんだか難しいですね。
会社は、目に見えませんが、ちゃんと実在してます。 目に見えている看板は、関係ありませんよ。
さきほどお話した不動産の話と同じです。 つまり、その会社が実在しているかどうかは、「○○株式会社」という看板があるかどうかではなく、「法人」として登記がされているか、どうかなのです。
マンションの一室にある会社でも、「法人」として登記されてれば、立派に法人です。大小や見かけは関係ありません。
じゃあ、「社長」や「役員」、「社員」ってなんなの? と申しますと、「社長」は「代表取締役」のことで、実態を持たない「会社」のかわりに、あれやこれやと意思決定する役割を与えられた人物のことです。
そして、「社長」は株主総会や、「役員」の過半数の賛成によって指名されます。
「社長」や「役員」と、世間的な意味でいう「社員」は違います。世間的な意味でいう「社員」は、「従業員」のことです。
ちなみに、「会社」と「従業員」は雇用関係にあたりますが、「社長」や「役員」は、会社と委任関係にあります。
だから何が違うの?って思いますよね。大きな違いは「労働基準法が適用になるかならないか」です。
また、会社法上の「社員」とは、「株主」にあたります。
と、このように、法令上の言葉が持つ意味と、世間的な言葉が持つ意味が、違うことが多くありますので、会社法や商業登記法は、少しとっつきにくい法律かもしれませんね。